蔵書 › 毛沢東選集 第五巻 › 社会主義革命と社会主義建設の時期(一)
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農業協同化は党員、団員と貧農・下層中農に依拠すべきである
(一九五五年九月七日)
これは、毛沢東同志が中国共産党中央のために起草した党内指示である。
「貧農(もと貧農であったすべての新中農をふくむ)に依拠し、中農とかたく団結する」というスローガンは、いまなお基本的には正しい。しかし、(一)新中農のなかから、富裕中農(つまり上層中農)があらわれている。このうち、政治的自覚のわりあい高い若干の人を除くと、他の人びとは、ここしばらくはまだ協同組合に加入することをのぞんでいない。(二)旧中農のうちの下層中農は、もともと、経済的にゆたかでなく、なかには土地改革のとき、いくらか不当な侵害をうけた人もおり、その経済的地位は新中農のうちの下層中農とほぼ同じである。このため、協同組合への加入には一般に興味をもっている。以上の二つの原因から、およそ協同化がまだ高まりをみせておらず、富裕中農がまだ自覚に欠けるところでは、まず、次の三部分の人を協同組合に加入させるのが妥当である(なお、自覚の程度により、何回にもわけて吸収することとし、まず、自覚のわりあい高い人を吸収すべきである)。(一)貧農、(二)新中農のうちの下層中農(毛沢東同志の報告の改訂版では、中農について、もしも分け方が細かすぎると区別しにくいので、ただ上層中農と下層中農との二部分にわけており、中層中農にはふれていない。ここに言う下層中農とは、実際には、かつて新中農のうちの下層中農および中層中農とよばれていた二つの部分がふくまれる)、(三)旧中農のうちの下層中農。いまのところ組合に加入したがらないすべての富裕中農、つまり新・旧の中農のうちの上層中農を、むりに組合へ引きいれてはならない。いま、多くの地方で富裕中農をむりやりに協同組合へ引きいれるようなことがおこっているが、それは、かれらのもっている役畜や農具に目をつけているのであり(値ぶみが低く、償還の期間が長い)、実際には、かれらの利益を侵害し、「中農とかたく団結する」という原則に違反しているのである。だが、このマルクス主義の原則は、いかなるばあいにもけっして違反してはならないものである。富裕中農のなかの資本主義的思想の濃厚な人たちについてはどうかというと、およそ組合づくりをはじめたばかりのところや、組合がまだ優位に立っていないところでは、かれらを組合に引きいれるばあいであろうと、かれらが指導的地位を手にいれようとして、みずから組合にもぐりこんでくるばあいであろうと(ほんとうの政治的自覚から入ってくるのではない)、また、かれらが黒竜江省双城県にみられるような低級組合の設立をたくらんでいるばあいであろうと、これらはすべて、貧農・下層中農の指導的地位をうちたてるのにたいへん不利である(公正かつ有能で、政治的自覚の高いごく少数の富裕中農は、もちろん例外である)。ところが、すべての協同組合では、貧農・下層中農の指導的地位をうちたてることがぜひとも必要なのである。いまのような提起のしかたでは、どうも「貧農に依拠し、小農とかたく団結する」というスローガンを放棄したようにみえる、と言う人がいるが、それは正しくない。われわれは、このスローガンを放棄したのではなく、これを新しい状況に即して具体化したのである。つまり、新中農のうち、富裕中農になった人たちは、依拠する対象の一部とみなさず、旧中農のうちの下層中農を依拠する対象の一部とみなすのである。これは、かれらの経済的地位と、協同化運動にたいする態度が積極的かどうかをみて区分したのである。つまり、貧農と二つの部分の下層中農は旧い貧農に相当するので、依拠の対象とするが、二つの部分の上層中農は旧い中農に相当するので、かたく団結する対象とするのである。いま、かれらと団結する方法の一つは、かれらをむりやり組合に加入させて、その利益を侵害するようなことをしないことである。
農村でだれに依拠するかという問題については、なお、いくつかの点をはっきりさせておく必要がある。われわれは、まず、共産党員と青年団員に依拠すべきである。われわれの区委員会から上の指導機関、あるいは農村へ派遣されて指導にあたる幹部が、まず第一に農村の党員と団員に依拠することをせず、党員と団員を党員や団員でない大衆と混同してしまうとしたら、それは正しくない。第二に、党員でない大衆のなかのわりあい積極的な人に依拠すべきである。この人たちは、農村人口の約五パーセントを占めるはずである(たとえば、人口二千五百人程度の郷では、こういう積極分子が百二十五人ぐらいはいるはずである)。われわれは、このような人たちの育成につとめるべきで、これまた一般の大衆と混同すべきではない。このあと、第三にはじめて、一般の貧農および二つの部分の下層中農という広範な大衆に依拠するのである。だれに依拠するか、いかに依拠するかという問題をはっきりさせなければ、協同化運動で誤りを犯すこととなろう。