蔵書 › 毛沢東選集 第五巻 › 社会主義革命と社会主義建設の時期(一)
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手工業の社会主義的改造をはやめよう
(一九五六年三月五日)
これは、国務院の関係部門が手工業の工作状況について報告したさい、毛沢東同志があたえた指示の一部である。
(一)個人経営の手工業の社会主義的改造の速度は、すこし遅いようにおもう。さる一月の省・市党委員会書記会議でも、わたしはすこし遅いといったことがある。一九五五年の末までに組織されたのは、二百万人だけであった。ことしのはじめのニヵ月で三百万人も伸び、年内にほぼ終わるようだが、これはたいへん結構なことだ。手工業の総生産額について、諸君は三つの五ヵ年計画の期間に、毎年平均一〇・九パーセント増加すると見ているが、やや低いようである。第一次五ヵ年計画では、低めに定めたため、すこし損をした。いまさら改めなくてもよいが、諸君は仕事の中でそれを見計らっていくべきである。
(二)手工業協同組合の規模については、一般に百人前後が適当であるが、ばあいによっては数百人でもよいし、数十人でもよい。
(三)農業生産に奉仕するため、鉄工、木工協同組合をつくり、農村へいって農具を修理させるというやり方は、なかなかよい。きっと農民によろこばれるだろう。中国の手工業には数千年らい、このようにやってきたものがあった。協同組合をつくったあと、技術が向上すれば、いっそうよく農民に奉仕することができる。
(四)諸君の話によると、手工業にたいする改造の高まりのなかで、修理とサービスの業種が経営を集中化し、営業点を減らしすぎて、大衆の不満を買っている、という。これではよろしくない。では、どうすればよいか。「そもそも大下の大勢は、分かれること久しければかならず合し、合すること久しければかならず分かれる」ものである。
(五)手工業生産の労働生産性は、半機械化および機械化生産のそれと比べると、最高と最低のひらきが三十数倍にも達する。一人あたりの年平均生産額は、国営の現代化工業では二万元から三万元、半機械化、機械化の協同組合では五千元、百人以上の大型協同組合では二千元、小型協同組合では千五百元、個人経営の手工業では八百元から九百元である。労働生産性を比べてみれば、手工業を半機械化、機械化の方向に発展させ、労働生産性を高めなければならない、ということがわかる。
(六)手工業の各業種は、いずれも有益なことをやっている。食べるもの、着るもの、使うもの、みなそろっている。また七宝焼とか、「ガラス細工の常家五人娘」〔1〕のつくったブドウなどのような工芸美術品もある。そのほか、アヒルの丸焼きも技術輸出ができるだろう。一部のサービス業では、王おばさんの甕直しのように、町や村をまわり、いろいろなものをなおしている。この人たちは、あちこちを歩きまわり、見聞が広い。北京の東の朝市には、六干種あまりもの製品がならんでいる。
手工業のうちの多くの良いものを途絶えさせてしまわないよう、注意しておきたい。アバタの王さんや張小泉の包丁やはさみは、一万年たっても作るのをやめさせてはならない。作らなくなったわが民族の良いものを、かならず復活させ、しかも、いっそう良いものにしていかなければならない。
(七)工芸美術品の水準を高め、民間の工芸家を保護するという措置はたいへんよい。それを早いうちに実行し、いそいでやらなければならない。諸君は自分で機構を設けたり、大学を開設したり、会議を招集したりすればよい。楊士恵は象牙彫りであるが、実はたいへんすぐれた芸術家である。かれは、わたしと同じテーブルで食事をとり、わたしを見ながら肖像を彫ることができる。わたしなら、かれを数日見つめても、その画像さえ描けないだろう。
(八)国は協同組合に物資を調達するばあい、国の調達価格で値段をつけてはならず、合理的につけるべきである。協同組合と国営企業とは同じではなく、社会主義的集団所有制と社会主義的全人民所有制とはちがいがある。協同組合は発足したばかりのときは、その経済的基礎がよわいため、国の援助が必要である。設備更新で使わなくなったふるい機械や、公私合営で工場を合併してあまった機械と建物を、国が低い値段で協同組合にふりむけるのは、なかなかいいことだ。「取らんとすればまず与えよ」。協同組合の経済的基礎が固まってから、国は税金の額を多くし、原料も値上げする。そのとき、協同組合は形式的には集団的所有制だが、実際には全人民的所有制となっているのである。
国は協同組合の半機械化、機械化を援助すべきであるが、協同組合自身もその発展につとめなければならない。機械化の速度がはやければはやいほど、諸君の手工業協同組合の寿命はそれだけ短くなる。諸君の「国」が小さくなればなるほど、われわれの事業はそれだけやりやすくなる。諸君はよりはやく機械化を実現し、より多く国に納入するように努力されたい。
(九)手工業の生産額が全国の工業総生産額の四分の一を占めているのに、その供給、生産、販売はなぜ国の計画に組みいれられていないのか。手工業の生産額がこんなにも大きい以上、当然国の計画に組みいれるべきである。
(十)一部の地方の党委員会は忙しくて、手工業にまで手がまわらないが、これではよくない。なぜ一部の幹部は手工業の仕事をあまりやりたがらないのか。これはたいへん重要な仕事だから、わたしなら大いにやりたいところだ。
(十一)諸君は、六万あまりの手工業協同組合のなかから、きわだったものをえらんで、典型資料を書くべきである。各地区、各業種のものが含まれていなければならないし、よいものと悪いもの、大きいものと小さいもの、集中したものと分散したもの、半機械化されたものと機械化されたものなど、すべてが含まれていなければならない。『中国農村における社会主義の高まり』のような本を出すのである。
注
〔1〕 ガラス細工のブドウをつくることで名を知られている北京の手工業職人――常一家の五人の女性をさす。